Sing a Bit of H@ppy!!!

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作品長文語りオタクの書き散らし

“この世界をあと一度だけ” 〈ワルプルギスの廻天〉ネタバレあり感想

 

ついに更新が2年に1度くらいになりました。マナです。

 

さて、皆さんは『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 〈ワルプルギスの廻天〉』はもう観ましたか?

初見、立川シネマシティ

 

観たという方、お疲れ様です。まだ観てないという方、さっさとこんな感想を見るのはやめて映画館に目覚めた心で走り出しましょう。まどマギって何?という方、TV版の総集編映画前編後編と新編の3作を観てから映画館に走りましょう。1日あれば観終わります(なお精神エネルギーの消耗は考慮しないものとする)。

 


この記事は〈ワルプルギスの廻天〉(以下、『廻天』)を観たという前提で、百合好き(?)アニメ映画オタが、自分のまどマギ遍歴だの感想だの考察だの妄想だのをつらつらと綴るだけのものです。また、ぶっちゃけ自分が自分のために文章化しておきたいだけなので、解釈違いや物語の正解といったものは考えないこととします。また、筆者は現在(2026/09/11)3回しか本作を観ていません。そのため、セリフ違いなどに関してはご容赦ください。

 

 

 

というわけで、ネタバレ全開でお届けします。

 

 

 

 


もう一度言います。

ネタバレ全開です。

まだ観ていない方はただちにブラウザバックをしましょう。

 

 

 

 

 

 

 


(…………後悔なんて、あるわけない)

 


了解しました。後悔は無いようなので進みましょう。それでは、はじまりはじまり〜。

 

 

 

あなた、誰?

本題に入る前に、自己紹介と自分のまどマギ遍歴について話します。

普段はアニメ映画のオタクをやっています、マナと申します。主に国産単独・オリジナルアニメーションを好んで観ます。百合(GL)作品と銘打っていない作品の百合が好きです(銘打っているのも良いですが、見るのがちょっと恥ずかしい)。いわゆる関係性萌えというやつでしょうか。


まどマギに関しては、2016年ごろに初めてTV版をニコニコ動画の配信かDVDのレンタルかで観た記憶があります。そこから叛逆を観て、しばらく頭を抱えたことをよく覚えています。その後ノベライズまでは買ったものの、それ以降は付かず離れずの距離感でまどマギとは付き合ってきたつもりです。

『魔獣編』(TV版のその後を描いた漫画)や、『まどマギポータブル』(ゲーム)、そして『マギアレコード』(ソシャゲ)といったものは存在こそ知っていたものの、キャラやストーリーをつまみ食いしている程度のライトなファンです。


なので、今回は主にTV版・総集編前編後編・新編[叛逆の物語](以下、『叛逆』)の3つの知識、それに加えて廻天のパンフレットの情報のみで語ろうと思います(そのため、パンフレットを所持していない方はそこのネタバレにも気をつけてください)。

つまり、公式から多数出ている書物や資料にはほとんど触れていないこと、前述の通り正解を見出すために書いているわけではないことを留意して読んでいただけると幸いです。どちらかというとこの新鮮な気持ちを書き残しておきたい、という自分の願望で書き進めております。


また、まどマギ以外で一つだけ触れておきたい作品があるのでご紹介します。『少女☆歌劇レヴュースタァライト』という作品です。超ざっくり説明すると「舞台の名門校に通う9人の少女たちが歌って踊ってぶつかり合うミュージカルバトルライブエンターテイメント」です(主観なので間違っていたらすみません)。実際の舞台とアニメが交錯し合う、なかなか特殊なメディアミックスをしています。私はTV版12話と、総集編『ロンド・ロンド・ロンド』、そして劇場版アニメだけ観ています。なのでこちらに関してもライトなファンですね。

さて、なぜこちらを紹介したかというと、今回廻天にて絵コンテを担当された古川知宏さんが、監督をしている作品だからです。そのため、本作でもスタァライトの作風が垣間見える部分があります。そのあたりの解説に関してはもっと詳しい方に譲りますが、これだけは触れておきたかったのでご紹介しました。


なお、現在TV版全12話がYouTubeにて「9月3日(木)~9月30日(水)18:00」の期間で無料公開中です。また、劇場版も9月9日(水)より各地の劇場にてリバイバル上映が決定しています。偶然にも程があるな? お時間のある方はぜひこちらもご覧ください。

m.youtube.com

https://revuestarlight.com/news/11142/


さて、前置きが長くなりましたがここから一つずつ感想を述べていきたいと思います。

 

映画の総評について

ずばり、初見では75点です。100点満点中。

思ったより低いのか高いのかは読者の皆さんの判断に任せますが、そう思った理由をいくつか紐解いてみましょう。

 

①映画としてのエンタメ性に欠けている

作品は本来「単体」にて評価をするのが個人的セオリーなのですが、本作、というかシリーズものに関してはどうしても過去作との比較が必要になってくると思います。

その上で、廻天は叛逆よりも「衝撃度」「頭を殴られるような強い印象」を持てなかった、というのがあります。他の方の言葉を借りると、叛逆は起承転結における「転」の物語ゆえに、ああいった爪痕を残していったという節もありますが……。

また、叛逆の「ほむらvsマミ」のように明確に「燃える」シーンがあまり見受けられなかった、というのも理由として挙げられます。もちろん本作のアクションシーンは、これはこれで画面全体を目一杯に使い、まるで空間の所有権を争うような素晴らしいものになっています。しかし、パッと思いつくような強い印象を与えられたというよりは、一度思考の海に潜らないと良いシーンをすぐに思い付かない、というのは欠点であると言えるでしょう。

 

②情報がとっ散らかっている

これも大きな欠点の一つと言えるでしょう。個人的に、『作品は一度観ればある程度物語が掴める』ものであるべきだと考えています。しかし、本作はこれまでのシリーズよりもさらに難解であり、複数回の鑑賞が要求される代物です。そこからが本番とも言えなくはないのですが、情報の整理はもう少し必要だったかもしれません。

初見感想。「理解できない部分が多い」との記述。

 

③結末がボカされている

これまたかなり大きな欠点です。実際、ここが問題であると指摘する感想を多く見かけました。「まどかとほむらはどうなったのか」、ここがシリーズ通しての大きな軸であるはずです。また、TV版では明確に「まどかが『円環の理』となって終わる」、叛逆では「ほむらが『悪魔』となりまどかを引き裂いて終わる」と一言で説明できました。しかし、本作ではそうはいきません。解釈が観客に委ねられているのです。これはシリーズにおいて前代未聞のことであり、賛否両論が巻き起こる点と言えるでしょう。

 

④細かい部分で過去作との齟齬が発生している

例えば、杏子は「食べ物を粗末にする奴は許さない」という表現が徹頭徹尾徹底されたキャラクターでした。今回、ケーキバイキング(?)にみんなで行くという展開がありましたが、そこで新キャラたる紫丁香がまさにそういった行為をします。それに特に反応をしない杏子は果たして杏子らしいと言えるのでしょうか。

また、TV版にてキュゥべえが言っていた「やがて魔女になるから、魔法少女」というセリフも、マルグリートが作り出した魔女システムより以前の魔法少女(そもそも当時そういった呼び方だったかも分からない)には適用されないと考えるのが自然でしょう。

こういった細かい部分の「雑さ」の蓄積が、観客に違和感を残しているのが事実です。

 

⑤新しいキャラに尺を割きすぎて、既存のキャラの見せ場が少ない

本作からの新キャラである「紫丁香」、「セルマ・テレーゼ」、そして「名前のない上級生/ワス」。彼女たちを語るために与えられた尺はかなりのものです。そのため、既存キャラたちのやり取りが相対的に少なくなっているのは事実です。「もっと既存キャラ同士の絡みを見たかった」という方にとってはここは減点ポイントでしょう。

 

⑥音楽が弱い

これまでのシリーズではいわゆる「マミのテーマ」や「オクタヴィア戦」など、印象的なメロディを持った劇伴が多く登場し作品を彩ってきました。しかし、今回はどちらかというとそれは抑えめです。むしろ、作品に寄り添うといった感覚の強い劇伴が多かったように思います。また、総集編・叛逆ではあったOPや挿入歌が本作では存在しません。EDである「彼方」だけで勝負にかかっているのです。それはストイックな姿勢とも言えるし、OPなどを期待していた方にとっては肩透かしであったとも言えますね。

 

⑦Cパート要る?

これに尽きます。続編を作るためのフックとしか思えない……と最初は考えていました。しかし、他の方の考察を読むにつれて、この考え方は少しずつ変わってきています。キュゥべえは本当に必要な情報から目を逸らすための囮にすぎず、例えば最後に鳴る「トカゲさん電話」であったり、名塚底根へと向かう3つの光……など、気になる点は多くあります。これらは今後の展開によって大きく評価が分かれるところと言えます。


……ひとまず、こういったところでしょうか。上に挙げた理由により、私は最初75点という評価をつけました。

しかし、本作を複数回鑑賞し、パンフレットを読み、他の方の感想も拝読する中で、その印象は現在進行形で劇的に変わりつつあります。

①〜④に関してはまだ引っかかりを覚える部分もありますが、⑤は「まどかの『まどからしさ』を見せるのにそれぞれ必要だった」、⑥は「あえてそういう劇伴にした」といった旨の記載がパンフレットにあります。また⑦に関しても、現時点では評価を保留せざるを得ないのが現状でしょう。


そのため、現在での評価は「衝撃度で言えば叛逆が上、後からジワジワと殴られる面白さで言えば廻天が上」といった、評価軸の異なるものに至っています。減点式なら75点ですが、加点式なら120点をつけたいところです。

 

 

新キャラ3人について

「愛しきマルグリート」/ワス

本作においてある意味最も重要なネタバレ要員の1人である、名前のない上級生/ワス。

(以下、エンドロールの表記に従って「ワス」)


彼女、可愛いですよね(唐突)。とても魅力的なキャラだと思います。あの口調とキャラをトレースするのは凄く骨を折りそうですが……。。あとまどかからの「先輩」呼びがとても好き。もっと聞きたかった。

ワス先輩かわいい

して、その正体はTV版にて最悪の魔女として猛威を振るったラスボス、「ワルプルギスの夜」のいわば「核」となる、元魔法少女です。当時の名前は「マルグリート」。名前を呼んで、マルグリート……。。

彼女は本当に魅力的なキャラクターだと思います。「ほむらと同じ顔」を持ち、「同じ人」を愛した故の今回の襲撃——そして最後のほむらとのやりとりが胸に沁みます。口調や雰囲気は本当に唯一無二ですね。彼女を深く考察することも可能ではあるのですが、最初に申し上げた通りこの感想文は私が思ったことを記録しておくものなのでこれくらいに留めておきます。あ、でもワルプルギス服が個人的には好みだったことを追記しておきます。。

 

「セルマは誰かの役に立つことが大好きだからね!」/セルマ・テレーゼ

名塚底根より舞い降りし、ほむらの知らない新しい魔法少女②。彼女もまた魅力的なキャラクターですね。本作では主にマミとなぎさと絡むことが多かったですが、その快活さの中に垣間見える絶望的なまでの自己嫌悪や自己肯定感の無さが彼女の悲愴感を際立たせます。

「ああ!セルマ!セルマ・テレーゼ!なんて愚かで悲しい子!」(ワスバウワー)(うろ覚え)

実は彼女は「針の魔女」の人間態である、というのが通説らしいです。本作ではラスボスに近い立ち位置で、まどかを「魔女」とすることで「宇宙の役に立とう」としますがキュゥべえに「それは非効率だ」(意訳)とバッサリ切られているのも辛いところです。

最終的にはなぎさたちによってメルトジェム(パンフレットより)を砕かれおそらく死に至ったと推測されますが、円環の理を憎み、苦しんだセルマにとってそれは救いだったのでしょうか……。なぎさの「愚かでも〜」というくだりが強く印象に残っています。

 

「馬鹿げた夢は終わらせて、本来の世界を取り戻す」/紫丁香

名塚底根より舞い降りし、ほむらの知らない新しい魔法少女③。彼女もまた魅力的なキャラクターですね(デジャヴ)。本作では主に杏子との会話が多かったですが、舞台挨拶において美樹さやか役のキタエリさんが「赤が緑と絡むから紫の方に行ってみた」(意訳)と言っていたらしい、というのが印象的です(汗)。

ネタバレ期間中はデータキャラとして「エアプ紫丁香」が流行っていました 何それ?

彼女は何だかんだで一番人間らしく、そして仄暗い過去が示唆されているキャラクターです。ここをもう少し掘り下げて欲しかった…!という気持ちはありますが、本筋から逸れすぎても良くないので難しいですね。

円環の理による救済を求めていたはずの彼女が真に求めていたのは、「鹿目まどか」という一人の少女による抱擁でした。その後はほむらたちと共にセルマと対立し、最後にはワスと一緒に円環の理に再び導かれたことが示唆されています。ちなみに、「ゴムの魔女」の人間態らしいです。


また、この3人は正確には魔法少女ではなく、「魔女っ子」と呼ばれる存在であり、ソウルジェムの代わりに「メルトジェム」と呼ばれるもので身体を動かしているそうです(パンフレットより)。その身体がどこから来たものなのか、ワスは作中で説明されているものの、セルマと丁香に関しては謎が多いところですね。

 

見滝原(元円環)組6人について

「誰のために、何がしたいのですか?」/百江なぎさ

叛逆にて初登場を果たした、円環の元鞄持ち。してその正体はマミとの因縁も深い「お菓子の魔女」シャルロッテ。叛逆では「べべ」としての姿での活躍が多く、その人間性はあまり描写されませんでした。

なぎささん……

しかし、本作では大活躍と言っていい、というかなぎさではなくなぎさ「さん」と呼ぶべきといった、見た目に似つかわしくない達観ぶりを見せます。恐らく精神年齢は大人と遜色がないのでしょう。無邪気にセルマと遊ぶ姿はとても可愛らしいですが、その一方で終盤さやかやセルマにかける言葉はとても大人びています。

そして衝撃の事実。実は彼女は「全て」を知っていた……らしい、ということ。「辛い過去なんていくらでも語れるけど、マミたちといる今が一番楽しい」「だからまどかが神さま?ほむらが悪魔?そんなのはどうだっていい」なんて言葉まで飛び出てきます。

そして一番の名台詞と言えば、やはり「さやかは誰のために、何がしたいのですか?」でしょう。これがさやかの再起のきっかけとなり、ひいてはほむらへの鼓舞に繋がるのです。結果的に、本作において鍵となる人物だったと言っても過言ではないでしょう。名台詞しか言わねーのですかこの幼女は。

 

「ティロ・フィナーレ!」/巴マミ

実のところ、マミさんは最初から最後まで「真実」を知らないまま戦っていた人物です。しかし、それ故に劇中でも屈指の戦闘能力を誇ります。TV版・総集編ではその心の脆さと強さがそれぞれ描かれたキャラクターですが、叛逆・廻天では「ひとりぼっち」という心の隙を埋めてくれる仲間たちがいます。

もう何も怖くない

前述した通り、マミと行動を共にするなぎさは「全てを知っていた」ことが示唆されています。しかし敢えて、マミには真実を伝えなかったのでしょう。それは賢明な判断と言えます。

終盤ではチーズ戦艦を乗りこなし、TV版から続く必殺技「ティロ・フィナーレ」でなぎさをアシストします。本作においては名脇役、いぶし銀な活躍をしたと言っていいでしょう。

 

「あたしは独りぼっちじゃないんでね!」/佐倉杏子

激アツですね、このセリフ。初見の時にもハッと気付いたのですが、本当に本作は過去作のオマージュやリフレインの多い作品だと思います。それがクドいと言う方もいるかもしれませんが、私はかなり好きです。

イケメン

本作ではさやかと同居しているかどうかは不明ですが、彼女なりにさやかを気にかけていることが冒頭の登校シーンから見て取れます。杏さや…………。。一方で、丁香との対話、戦い、その結末に関してはどこか儚く辛いものを感じます。そしてめちゃくちゃ強いですね。マミと同様、過去を吹っ切り、仲間と共にいる杏子の精神は安定しており、素の部分である優しさや仲間思いな姿が見れたのはとても嬉しかったです。

 

「この世界でただ一人……あんただけは、円環の理を『まどか』なんて呼ぶな!」/美樹さやか

実質本作の主人公。さやか☆マギカ。

私は元々ほむまど派だったのですが、叛逆で(……重い!!)となり、気づいたらさやかが好きになっていたヤツです。いや、もちろんほむまども好きだし、まどマギキャラ(CP?)はみんな好きなのですが……。

製作陣にも愛された少女

TV版では恋する乙女として想い人の——他者のために——願いを叶え、正義の魔法少女として戦い、真実に絶望し、魔女になり杏子と共に命を落とすなどかなり辛い立ち位置にいた彼女。しかし叛逆ではなぎさと同様円環の理の鞄持ちとして登場、マギレコでも委員長の魔女との戦闘シーンは圧倒的なクオリティ、カッコよさと可愛さを兼ね備えたまさに「製作陣にも愛された」人物として躍進します。年相応の少女としても、正義の味方としても、たくさんの魅力を持つ彼女に私は惹かれたのです。

そして、叛逆のラストでは悪魔と化したほむらに対して、「あんたが悪魔だってことを忘れない」とバチバチの険悪ムードで物語を終えます。そこからの廻転。包帯ぐるぐる巻きのロールパンナちゃん状態でPVに登場した彼女。あの時は衝撃的でしたね……。叛逆・廻天の内容から察するに、あれはほむらによる記憶封印・改ざんの証だと考えるのが妥当でしょう。

そんなさやかとほむら、因縁の二人が今回ではまどかのために——親友のため、最高の友達のために——共闘関係になるのが大変熱いです。(※ここに関しては自分の感情が多分に含まれそうなので後述します)


そして何よりも本作最大の名シーンと言えるのが、あのさやかがほむらを鼓舞する場面でしょう。TV版から一貫して相寄ることのなかった二人が、特にさやかからほむらを応援することがあったでしょうか。あったのです。本作には。

それはなぎさに「誰のために、何がしたいのか」を言われ、さやかなりに考えた結果なのでしょう。本当にこのシーンは素晴らしいと思います。ここを観るためだけに映画館に足を運ぶ価値があります。


あの後、さやかは円環の理に戻ったのか、それともまだ現世にいるのか——具体的には描写されていません。個人的には現世にいて、ほむらと少しずつでも距離を近づけてほしいなあと思っています。同じ記憶を持っていて、同じ人を想っていた同士、分かり合える未来が来ることを願ってやみません。

 

「わたしの、最高の友達」/鹿目まどか

まどか☆マギカの主人公。

今回は悪魔ほむらによって「人間」としてのまどかが再び登場します。しかし、その脆く儚い「銀の庭」はワス達の登場により瓦解していくのですが……。

優しくも強い、我らが主人公

ほむらには「鹿目さん」呼びされていたり、絶妙に距離を置かれていることもあってほむらとちゃんと会話をしたのは昼食のシーンと終盤のシーンだけとなっています。そのため、まどか自身の影は若干薄いことは否めないのですが、その分前述した通り新キャラ達を通して「鹿目まどか」という人物の深掘りがなされています。

そして最後のほむらとの対話は何度観ても涙が出てしまいます。TV版第一話のリフレインでもあり、まどかがほむらの心に触れる大事なシーンです。

あの時のほむらは、まどかがいなくなったあとでも優しげな表情で眠りについています。私の解釈ではまどかは円環の理に戻った、と考えているのですが、ほむらのあの表情を見ると必ずしも完全なバッドエンド、逆戻りとは言えない……と思います。これも詳しく後述します。

特に丁香とのやり取りなどに見受けられるのですが、彼女は誰にでも優しく、愛されたがゆえに人を愛することのできる博愛の人物です。だからこそほむらとずっとすれ違い続けるのが、とても切ないのですが……。果たしてこの二人が笑顔で手に手をとれる世界は来るのでしょうか?

 

「鹿目まどかは、渡さない」/暁美ほむら

ほむら☆マギカ。

やっとここまで来ました。TV版第10話より、実質的な主人公として活躍及び暗躍してきた少女。そしてまどかへの想いと共に、女神に叛逆した悪魔。

ずっと顔がいい

……しかし、その圧倒的な悪魔ムーブは冒頭10分で終わり、本作では割と素の暁美ほむらが出まくってます。「私は誰か一人に背負わせたりしない」、というのは本作でも印象的なセリフですが、これはまどかのことだけでなく他の人物達に対しても同じ思いを抱いているのではないかと想像しています。感情表現やコミュニケーションが壊滅的に不器用なだけで、心根はずっと優しいんですよね。「女神を貶めた者として悪魔とでも名乗る他ない」としてロールプレイをしているわけで……、

もう悪魔名乗らない方がいいよ

と言いつつ、まどかへの「愛」によって悪魔になったのも事実です。ここで一つ、とある記事をご紹介させてください。


暁美ほむら担当声優が語る『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ〈ワルプルギスの廻天〉』

https://niewmedia.com/specials/2609madoka-magica-saitochiwa_edymm_wrkrd/


この記事において、ほむら役の斎藤千和さんがまどマギという作品、そしてほむら、ほむらとまどかの関係について大変濃密なことを話しています。未読の方はぜひこちらを読んでからこの感想に戻ってきてください。

 

“ほむらは、いつ大人になるのだろうと思います。まどか以外のものを見ていない。初恋をずっとこじらせていて、一番きれいな気持ちのまま、まどかという一番きれいなものを見続けているんですよね。”


記事の中に、こう言った一文があります。その通りだな……と思うと同時に、斎藤さんのほむらに対する解像度の高さに感服します。ちなみに、斎藤さんは文中においてほむら→まどかの感情を「初恋」と表現しています(!)が、新房昭之総監督は「親愛」であると話しているらしいです(ソースは他の方の呟きなので、出所は分かりませんが廻天のパンフレットを読むにそういった側面があると思います)。


さて、話を戻します。

廻天の終盤にて円環の理の弓矢に貫かれたほむらの背景に、これまでの彼女の記憶と記録が散乱します。これは自己解釈ですが、この結果さやかだけでなく、マミたち他の魔法少女たちもこれまでのほむらの記憶を共有したのだと考えています。そのため、ほむらは「独りぼっち」ではなくなったのです。

だから、廻天は決して「TV版の結末に戻ってしまった」訳ではないのです。ほむらの記憶を皆が知った——それはとても大きな意味を持ちます。そのために、マミたちはほむらの背中を押すこととなったのです。

結果的にまどかは円環の理に戻ったのか——私はそうである(戻った)と解釈していますが、ほむらはもう独りではありません。そのため、このあとの彼女たちがどんな未来を迎えるのかは、今後の展開次第だと思います。廻天はあくまでも起承転結の「結」のはじまりにすぎないという訳です。

また、最後ほむらはこれまでの魔法少女でも、悪魔でもないさらに別次元の変身(?)を遂げています。悪魔ほむらをベースとし、煌びやかな装飾がなされた姿……仮称、魔王ほむらとでも呼べばいいのでしょうか。瞳に紅の焔を燃やし、まどかを見つめるその光は禍々しくもとても美しく、この瞳を、表情を観るために廻天を観る価値があります。

ほむらは、最後まで戦い抜きました。

それに価値があるのです。

たとえその結果がどうであれ、自分で考え、自分で選び、自分のために動いたほむらは、魔なる者でもなく、繰り返す者でもなく、ただ一人の少女として愛する少女へと手を伸ばした。


「これが私とまどかの約束」→ソウルジェム

「これが私のまどかへの執着」→ダークオーブ


——かつての約束、そして最初の感情である「憧れ」を取り戻したほむらは、それらを踏まえた上で、まどかの幸せではなく(もちろんそれもあるでしょうが)、自分がまどかに執着をしていることを自覚した上で、まどかを取り戻そうと足掻くのです。

 

まとめ

さて、ここまでつらつらと感想を並べてきましたが、いかがだったでしょうか(?)。


物語の最後を飾る「彼方」という曲とエンドロールにも考察要素は多くあると思いますが、ここではあえて割愛します。「彼方」も大好きです。3回聴いて3回泣きました。


考察とも呼べない、本当に自分自身のために書いている感想ですが、こうやって文章にしてみると頭の中が少し整理されたようですっきりしています。

私は最初、困惑の方が大きかったです。混乱と言ってもいいでしょう。しかし今では、観た後に鋭い痛みと、でもそれ以上の愛しさをこの作品に感じるのです。この感覚は、自分の感覚だけは、誰にも奪われない大切なものです。


「君は気づいていたかな?

本当のことなんていつも君の中にしかない」


だから、どうか自分の中の感覚を、感情を、感情を、感想を、大事にしてください。

……というのが私の一番伝えたいことです。


そして私は、〈ワルプルギスの廻天〉という作品を愛しています。

最初に述べた通り、欠点も気になる点も多くあります。しかしそれらを飲み込んで、「好き」という気持ちが勝った。そういうことです。


私は叛逆より13年間、ずっと「この時を、待ってた」訳ではありません。ずっとまどマギのことを考えてきた訳ではありません。なので、これまで待ち続けてきたファンの皆さんの気持ちを理解することはできないでしょう。


それでも、それでも私は私の感覚にただ忠実に素直になった時、「この作品が好きだ」、と胸を張って言いたいのです。

 

余談:ほむさやほむと、これまでとこれから

さて。ここからは完全に余談です。


公式によるネタバレ禁止期間(〜9/12 0:00)が設けられた結果(?)、ほむさやほむ怪文書やさやかがまどかの姿をしてほむらと「する」倒錯妄想の魔女が現れてしまいました。

筆者も今ではすっかりほむさやほむのオタクヴィア・フォン・ゼッケンドルフです(やかましい)。私たちは……いつの間に魔女になっていたというの……?


「さやか……もういいの」

私は「呼び方」のオタクというヤツです。廻天ではさやか→ほむら(呼び捨て)が3回ありました。そして終盤も終盤で遂に、ほむらがさやかのことを呼び捨てで呼んだのです!!ほむさやは““あります””。廻天でほむさやに落ちました。おかげで今ではすっかり3日でほむさやSSを3本書く始末、SNSのTLはほむさやほむ&廻天の話題だらけです。幸せですね。。


ほむさやSSを書いています。

https://www.pixiv.net/users/28622904


この記事が投稿された後、9/12 0:00に遂にネタバレが解禁されます。その後の世界がどうなるのか、私は楽しみで仕方ありません。


これから、『魔法少女まどか☆マギカ』がどのような展開を迎えるのかは今はまだ、誰にも分かりません。

しかし今は、この熱狂に身を委ねていたいのです。


それでは、この長文にお付き合いいただきありがとうございました。

 


さて、廻天観に行くか……。。

 

 

※記事中の画像は全て、アニプレックス公式YouTubeの予告編・キャラクターPVより引用したものです。

https://m.youtube.com/playlist?list=PLUH30mfo5wJwOnxrR2BKf6It-xHIdfsV1&ra=m

“未踏の地で降りる勇気”『トラペジウム』民に贈るシネマネコガイド



このブログは1年に1度しか更新されない呪いにでも掛かっているのでしょうか。

 

こちらではご無沙汰しております、マナです。

今回は現在公開中のアニメーション映画『トラペジウム』に関する記事をお届けします。

 

本作のムビチケ(ティザービジュアル)

 

(⚠️深刻なネタバレは含みませんが、ある程度本作を知っている方向けの記事となっています。絶対前情報を入れずに見たい!という方はお気をつけください。)

 

 

 

『トラペジウム』とは

『トラペジウム』

乃木坂46 1期生・高山一実による小説を原作とした現在全国公開中のアニメーション映画。

高校1年生の東ゆうには“絶対にアイドルになる”という夢がある。城州東高校に通うゆうは、他の3つの方角の高校へと足を運び、かわいい女の子と友達になる計画を進める。

“西の星”大河くるみ。

“南の星”華鳥蘭子。

“北の星”亀井美嘉。

その裏には、「東西南北の美少女を集めてアイドルグループを結成する」という野望があった……。

映画『トラペジウム』公式サイト

本作の主人公・東ゆう

こちらの『トラペジウム』は5月10日に封切りされて以降、7月初旬現在に至るまで2ヶ月近くに渡り映画館で上映されている作品になります。(相対的に見て)著名な原作やシリーズモノではないアニメーション映画としては、異例のことといっても過言ではありません。

そして何より…ネットでの盛り上がりが、すごい。話すととてもとても長くなるので割愛します…が、某つぶやきまとめサイトでは本作のレビューをまとめたものが100000PVを越したり、関連ツイートが10万いいねを記録していたり、「マグミクス」の読者アンケートによる「2024年上半期のアニメ映画『No.1』」にこちらが選ばれるなど、なんか…そんなのおかしいよッッ!!

 

※参考:2024年上半期のアニメ映画「No.1」決定か? 1位は『ガンダム』を圧倒した作品【結果発表】 | マグミクス

 

そんなのおかしいよッッ!!

映画『トラペジウム』本編シーン映像「こんな素敵な職業ないよ」編|大ヒット上映中 - YouTube

 

(そして、自分は本作を公開初週の日曜(5/12)に観て、“脳を灼かれ”、現段階で8回鑑賞済みで、挙げ句の果てには参加者117人全342pの鈍器本『トラペジウム』合同誌企画を立ち上げ、入稿までこぎつけたのですが…それもまた、別のお話。。)

(いつかちゃんと感想を記事にしたいけど、あまりにも書きたいことが多すぎて決心がつかないんです……)

 

 

ファーストランが、おわる?

そんな『トラペジウム』ですが、前述の通りまだ映画館での上映はされています。ただ、全国的/大規模な上映は7/4(木)を持って軒並み終わってしまったのが実情になります。

「新作映画を封切りから継続して上映を続けること/続けている映画館」を「ファーストラン(上映館)」と呼称するのですが、このファーストランが一つの区切りを迎えたタイミングです。(通常こちらの期間は4週間〜6週間ほどが目安なので、8週間持ち堪えた本作は十分健闘したと言えるでしょう。)

 

「(ほとんど)終わったんです。ファーストラン。」「これから、どうするんですか。」

セカンドランが始まります。

諦めたくても、諦めきれないんだ…

映画『トラペジウム』キャラクターPV:東ゆう編|2024年5月10日公開 - YouTube

「セカンドラン」つまり、映画を上映する劇場が新しく追加されるということ。ちょうど今がファーストラン→セカンドランへのバトンタッチの時期なのでしょう。

※参考:映画館の「セカンドラン」とは?上映の理由や通常公開との違いを解説。 | with Theater

 

公式の劇場情報によると8月にも公開を予定している映画館があったり、ファーストランに関してもまだいくつか継続している上映館があったりとで…つまり、まだこれからも色んなところで『トラペジウム』は観られるということです。たすかる☆ (この記事の最後に現段階で観られる(予定)の映画館をまとめようと思います)

 

……とはいっても、「自分の家の近くではやってない」「知らない映画館に行くのは不安…」といった気持ちもあると思います。

でも、「はじめてのことをやってみたら、案外楽しかった」なんて経験、ありませんか? せっかくのこの機会、行ったことのない場所・知らない映画館を訪れてみるのも面白いのではないか、自分はそう思ってます。(……そのきっかけを作りたい。)

 

そこで今回は、『トラペジウム』セカンドラン上映館の一つ、「シネマネコ」さん(7/12〜より上映)を紹介させていただきます。

 

 

What is “CINEMA NEKO”?

 

シネマネコさん

東京・青梅にある、東京で唯一の「木造建築×最新設備」の映画館。一時期映画館が無くなってしまった青梅の街に、国の有形文化財を活用し、人々の優しさ(テネリタス)と縁によって復活した味わいのあるミニシアターです。

CINEMA NEKO シネマネコ

 

筆者が初めて訪れたのは2022年5月。某青春AIミュージカルアニメ映画に関連した往訪でした。

その後、実際にシネマネコで映画を観たのは2023年8月(某監督が一人で制作したホラーアニメ映画)。音響や映像の評価に関しては他の方のレビューに譲りますが(自分が詳しくないため)、温もりのある外観からは想像できないくらい臨場感のある音響で、木造だからなのか他の映画館には無い独特の響きがあったように思います。場内が「しっかり暗い」ため、映像も鮮明に映っていて綺麗。

 

 

また、シネマネコには映画の待ち時間や休憩に利用できるカフェが併設されています。

カフェさん

映画を観なくても利用が可能で、大きな窓と壁一面に並んだ書籍が特徴です。開放的かつ落ち着いた空間で、ゆっくりと本を読んだり個性豊かなカフェメニューに舌つづみを打つことができます。

 

私のおすすめは「フレンチトースト」。

シネマネコパン/フレンチトースト

ネコの形のパンが可愛くて、食べると優しい甘さが口に広がります。

 

フードメニューだけでなく、オリジナルのブレンドコーヒーやシネマネコソーダといったドリンクメニューも充実。

CINEMANEKO SODA(と謎のネコ海洋生物)

シネマネコでの上映作品に応じた期間限定のメニューなどもあって、何を選ぼうかつい迷っています。。(※ただし抹茶は無い)

 

本棚にある書籍も、上映作品や映画に関連するものを多く取り揃えており、カフェに訪れるだけでも楽しいです。

某青春AIミュージカルアニメ映画の本(2022/05)

 

 

Where is “CINEMA NEKO”?

ここでは、シネマネコさんへのアクセスをご紹介させていただきます。

 

【電車の場合】

最寄り駅は「JR青梅線 東青梅駅」及び「青梅駅」。東青梅駅から徒歩7分、青梅駅からは徒歩15分ほどです。

劇場案内・アクセス | CINEMA NEKO シネマネコ

 

筆者は過去訪れた2回とも、東青梅駅から歩いていったので今回はこちらを中心にご紹介します。

未踏の地で降りる勇気 今の僕にはある

東青梅駅は「南口」から降りましょう。南です。降りたすぐ近くにある大きな看板には、シネマネコへの案内もある…はずです(2022年に撮ったものなので今もあるかは不明)

ねこですよろしくおねがいします

看板の通り、駅を出て右に曲がったらあとはひたすら直進です。高校のあたりにある曲がり道は、無視して進みましょう(筆者1敗)。多少距離はありますが、歩けば着きます。ただし、『トラペジウム』上映時は夏だと思うので、暑さ対策のために水分などを持っていくことをおすすめします。

最後の方は少し道が入り組んでいて分かりづらいですが、水色の建物は結構目立つので辺りをよく見れば位置は把握できると思います。

到着…したね…

 

【車の場合】

車の場合、(旧)青梅街道を道なりに進みどこかで曲がったら多分着きます。すみません。筆者は車に乗らないので、急に投げやりな説明になってしまいました。カーナビか公式HPの「アクセス」に従っていただければと思います。

なお、シネマネコ提携の駐車場があるのでそこに停めることが可能です。1作品につき2時間無料のサービス券が貰えるみたいです。

 

 

 

東西南北を 青春きっぷで旋回中

以上、シネマネコさんについて解説してきましたが、いかがだったでしょうか?

自分が過去に行った映画館が『トラペジウム』セカンドランの上映館となっていたのは、シンプルに嬉しいものがありました。そこで、作品や映画館のために何か力になれることはないかと思い、割と衝動的に「案内記事みたいなものを書こう」、となった次第です。

ネコさんはいいぞ

もちろん、今回紹介させていただいたシネマネコ以外にもファーストラン・セカンドラン上映館は全国にあります。できるだけ近くの映画館を探してもよし、「シネマ旅」と銘打って少し遠い場所に赴いてもよし、です。

この記事が、皆さんの『トラペジウム』活動(?)や映画館巡りなどの手助けになれば幸いです。 (ここまで読んでくださった方であれば、「未踏の地で降りる勇気 今の“君”にはある」…はず!)

 

改めて、ご覧いただきありがとうございました!

自由にやっちゃえよ!

映画 『トラペジウム』 エンディングテーマ 「方位自身」 エンドロール用映像 - YouTube

 

※以下、現在の『トラペジウム』上映(予定)館一覧&ちょっとした告知になります

 

 

『トラペジウム』上映(予定)館一覧&告知(2024/07/05現在)

THEATER | 映画『トラペジウム』公式サイト

 

◆ファーストラン継続館(終映日未定)
川崎チネチッタ/新宿バルト9/京成ローザ10/Tジョイ梅田/福山エーガル8シネマズ/シネマライカム

◆7/6-7のみ上映
イオンシネマ弘前/TOHOシネマズ木曽川

◆7/11まで
ポレポレシネマズいわき小名浜/TOHOシネマズサンストリート浜北/109シネマズ名古屋/安城コロナシネマ/福井コロナシネマ/ufotable CINEMA

◆7/5から
シネマ太陽函館/ディノスシネマズ室蘭/Tジョイ稚内/シネマヴィレッジ8/フォーラム東根/イオンシネマ茅ヶ崎/イオンシネマ守谷/岡谷スカラ座/飯田センゲキシネマズ/豊川コロナシネマ/金沢コロナシネマ/舞鶴八千代館/シネマスクエア7/小倉コロナシネマ/イオンシネマ戸畑/イオンシネマ大野城/佐世保シネマボックス

◆7/12から
シネマネコ/イオンシネマ多摩センター/イオンシネマ市川妙典/塚口サンサン劇場/イオンシネマ防府/イオンシネマ今治新都市

【シネマネコ→7/12〜25上映 16,23は定休日 12,22は「ネコデイ」として一律1000円で鑑賞できます🐈】

◆8/3〜8/16
キネマ旬報シアター

◆8/14〜8/18
Shimane Cinema ONOZAWA

 

引用元:

 

 

◇『トラペジウム』突発合同誌、出ます。

筆者(マナ)が共同主催(代表)を務める、『トラペジウム』突発合同誌『こんな素敵な合同誌ないよ! 〜trapezium unofficial fanbook(仮)〜』が今夏のコミックマーケット104にて頒布されます。詳しくは上記のポストをご覧ください。

(メロンブックスへの委託も予定しておりますので、当日行けないという方もぜひご検討ください。)

 

 

(改めて、ここまでご覧くださりありがとうございました!)

 

 

(※記事内の写真は自分で撮ったもの、画像に関しては公式SNS・YouTubeのものを使用しています)

 

"君の映画 大好きだぞ"『映画大好きポンポさん』ネタバレ感想&考察

 

 

「ポンポさんをみったぞー!」

 

 

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というわけで、ご無沙汰しております……マナです。。

まず、ブログの更新が途絶えてしまったことをお詫びさせてください……。。

案の定Twitterでは元気にしておりました。妄想を垂れ流したり感想をツリーで繋げて連投したり……、

 

…………。

 

………………………。

 

 

いやそれ、ブログがあるのになんでブログでやらないの!!?という話!

 

えっーと……そのぉ……

なんか……言い訳っぽくなってしまいそうなのですが、ブログに映画の感想や長文を書こうとすると「どうしても形や体裁を整えなきゃ」「真面目に記事として面白いものを作らなきゃ」、と思ってしまうんですよねえ……。。

 

…………。

 

………………………。

 

 

うるせ〜〜!!知らね〜〜!!

 

 

Twitterでの自分をご存知の方は何となく察していただけると思うのですが、マナは感情のまま文を書き殴るタイプの人間です。でもそれが1番伝えたいことが伝わる気がするのです……。

 

というわけで(2回目)、前置きはこれくらいにして。

先日、Eテレにて『映画大好きポンポさん』がTV地上波で初放送されました。

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https://pompo-the-cinephile.com/#story

敏腕映画プロデューサー・ポンポさんのもとで製作アシスタントをしているジーン。映画に心を奪われた彼は、観た映画をすべて記憶している映画通だ。映画を撮ることにも憧れていたが、自分には無理だと卑屈になる毎日。だが、ポンポさんに15秒CMの制作を任され、映画づくりに没頭する楽しさを知るのだった。 ある日、ジーンはポンポさんから次に制作する映画『MEISTER』の脚本を渡される。伝説の俳優の復帰作にして、頭がしびれるほど興奮する内容。大ヒットを確信するが……なんと、監督に指名されたのはCMが評価されたジーンだった! ポンポさんの目利きにかなった新人女優をヒロインに迎え、波瀾万丈の撮影が始まろうとしていた。

……といった内容なのですが、これはもう言葉で語るものじゃない、映像で殴ってくる作品です。なので百聞は一見にしかず。まだ未見の方はぜひ!本編をご覧いただいてから感想の方も見ていただけると幸いです。

 

※以下、本編のネタバレを含みます!

 

個人的・キャラクター分析

録画しておいたのをまず1回観て、その直後流れるように2回目を観たのですが……うん "良い"ですね 凄く良かったです。

最初のオープニング、ニャカデミー賞授賞式なんですね……? キャラ紹介OPもオマージュめいてて分かりやすいですね。
何度も会話や要素がリフレインされているの、シンプルに上手い~~。

 

さて、まずはメインキャラ6人について筆者が感じたことを綴ってみます。

 

①今作の主人公とも言える新人監督・ジーン。

彼は映画をこよなく愛する青年であり、時間があればどこまでも自分のこだわりを突き通すタイプです。

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「売り上げとかスタッフの生活とかどうでもいいっっっ!ちょー楽しい!」

「現実から逃げた人間は心の中に自分の世界を作る。その世界の広さがそのまま創作のポテンシャルになる」

これらは作中でも印象的なセリフですが、実は筆者(マナ)もクリエイター……というにはまだまだ未熟者ですが、とにかくモノづくりをしている者なんです。なので、とても気持ちが分かってしまって。

そう!何かを作ってる時ってそれ以外全部なんかどーでも良くなってくるんですよね!

現実とか周りとか生活とかど〜でもいい!この作品が作れたらそれでいい!!!!!命なんか削ってやる〜〜っ!!

 

…………みたいな。。

自分でもかなりジーン寄りの人間だなあ、と思って観ていました。そう、私も社会不適合な目をしています 多分……。

 

閑話休題。

 

②敏腕映画プロデューサー・ポンポさん。彼女は現実的な目線とモノづくりを続ける人の視線を併せ持った存在。そんな人がいるからこそ、ジーンは現実の中で想像を追い求めることが出来ます。

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筆者はポンポさんがもうちょっと意地悪というか、お茶目なキャラクターだと思っていたのですが……想像よりずっと真面目で、作品やスタッフ思いな方だなとなりました。プロ意識がすごい。

特に後半のジーンへのお説教シーンの声音の冷たさ。色んなことを経験してきて、映画を観て、作ってきて、彼女の中にはきっとたくさんの学びや考えが渦巻いているのだと思う。
それはまさしく製作者としての意地やプライド、持っておくべき常識や感性。

それらを説明でなく言わされているのでなく、言うべき時に言うようにしている。

 

今作に出てくる全ての人が、「良い映画を作る」という目的に対して激しい熱意と執着を抱いている。それはまさに「夢と狂気の王国」なんです。

「映画を撮るか 死ぬか どっちかしかないんだ」

 

③そして、夢を追いかける新人女優・ナタリー。

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彼女は夢のためにひたすらに努力してきた、努力する才能を持った存在。そんな人がいることで、ジーンは輝きと煌めきに惹かれて自分の中の情熱を呼び起こされます。

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(リリー初登場シーン好き。当て書きってその俳優さんを想定して書くという… 輝きや煌めきってことですよね。)

あと……彼女が主役に抜擢された時ですね、本当に嬉しそうなの大好き~~っなんですよ!彼女は走り続けているんです。頑張ってきた過去のためにも、頑張ることのできる未来のためにも。

 

さて、以上ジーン、ポンポさん、ナタリーの三名を見てきましたが、彼らは比較的裏表が無いキャラクター……のように思えますね。(それぞれ夢や作りたいものに対して純粋な野心を燃やしてはいるけれど)

 

ここで、これは本当に思った!ということを一つ。

『ポンポさん』に限った話ではないのですが、今作はとりわけ外見や第一印象と本心や本性のギャップを狙ったキャラ造形をしてますよね、という話。

たとえば、マーティンは第一印象がゴツいし怖いし軽く見える方です。

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だけど本当はポンポさんに寂しがり屋という評価がされていたり、みんなどんどん意見出してこう!といったフレンドリーな感じが描写されています。

 

ミスティアはぽわぽわしてて浮世離れした美しい人、というイメージ。f:id:manatee_iroiro:20230302120738j:image

しかし後半のあるシーンで恐ろしく鋭い目線を見せるし、ジーンナタリーと共演したい、ただ主役は自分が喰うという野心も見せる。ゾクっとした。正直好きです。(せ〜へき)

ナタリーちゃんとミスティアさんの同棲生活について詳しk

 

そして、アラン。
彼が一番分かりやすいですよね。

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金髪にスーツに銀行勤め。(ハイスクール時代の)彼からすれば、卑屈でオドオドしてて"社会不適合者"なジーンは「下ばっかり見てて前を向いてない陰気なやつ」だっただろう。

でも社会人になり、いざ現実と向き合うと何も持っていない自分に気づいた。そしてジーンが、「ずっと前だけ見てた」ことにも気づいた。そうやって気づけたことがまず、本当に凄いですよね。

多分アランも最初は"社会不適合者"の光の無い目をしていた。それが終盤にかけて光を宿していくんです。未来に期待して夢追い人を応援する。彼にしか出来ないやり方で。

 

(……書いていて気づいたことですが、この作品「視線」や「瞳」の描写を大切にしていますね。)

 

 

言葉でなく、映像で

さて、最初の方に「これはもう言葉で語るものじゃない」と言及したと思うのですが、これは映画そのものだけでなく……内容に関しても、まさにそうなんです。

 

自分に重ねる、映画の中に自分を見つける。
その時初めて、映画は自分のものとして再び蘇る。

この映画は言葉にし難い思いや観点を言い切ってるのが凄いなって。

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「自分の映画で、自分を救う。」
これはあの日の僕に向けた映画であり、その映画で僕以外の人も救われるのかもしれない。重ねてくれる人が、映画を信じて観にきた人が、いるのかもしれない。

夢を叶えるために、切り捨てたものがあります。未来に夢を見ることは簡単だが、相当な覚悟と勇気が無ければ、それを叶えることはできないものが。

 

「その映画を一番観てもらいたい人のために作る」

でもきっと究極的には「一番観てもらいたい人」って「自分」なんですよね。自分が観たいから作るんです。(もちろん一番観てもらいたい人がいるというのも、素敵なことですけどね)

 

一つを手放さないためにそれ以外を切ること
何かを残すためにそれ以外を犠牲にすること
「これが無くても成立する」と選択すること

 

そして 何よりも大切なのは、そんな自分を信じることであり、そんな自分を信じてくれる人がいること …………なんだと思います。

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もちろんワガママで自分勝手でも構わない、でも自分だけでなく他の人のワガママや自分勝手も受け入れること。それが良いものを作っていくためには、必要なことなんですね。

とどのつまり。自分のために映画を作る人が集まれば、それはより大きな想いの束となって観客に、そして自分に突き刺さるのではないでしょうか。

 

 

アニメーションという狂気

さてさて、今作に関しては カットの繋ぎ方、カメラワークや演出が「映画」「撮影術」の見本誌かっ!ってくらい豊富ですよね。(この作品だけでかなりの数の撮影術について学べるね!と思いました)


それに加えてアニメーションならではのエフェクトとか線の動きとかめっちゃ入れてるじゃないですか。

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実写映画のセオリーとアニメーションの「嘘を現実らしく見せる力」のいいとこ取りをしてる作品、こんなにこの作品を描くのに適切な媒体は無いんじゃないでしょうか……。。

 

そう、ポンポさんは実写映画制作の話だけど、アニメーションで描いたことに多大なる意味がある……と、筆者は考えております。

(何度も言うように、筆者(マナ)はモノづくりを学んでいる途中の未熟者でして、そんな私が偉そうなこと言って申し訳ないのですが…)

アニメーションとは、一つのために全てを削ぎ落とすものです。夢を叶えるために、それ以外を切り捨てるのと同じように。

(と、自分も思い知った経験があるのです)

 

それでいて実写映画と違うのは、「アニメーションとは、描かれたものしかその姿を見せないもの」だということです。描いたものしか見ることができない、一どころかゼロから生まれるものだということです。

俳優の輝きや煌めきからでなく、今このゼロ位置にいる自分が吸収してきたもの全てから生まれるものです。


そう思うと、尚更削ぎ落とすのは胸が痛む。せっかく描いたのに! せっかくこの手を動かして作り出したものなのに!!

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だけどだからこそ、「アニメーションは想像を映像として現実化できてしまう」んですね。

とんでもないことに、夢と狂気の世界をそっくりそのまま出力できてしまうのです。創作の恐ろしさとか、怖さとか、それ以上の熱さとか、執着とかを。
(もちろん、その前提としてある程度の技術や知識は必要になりますが)

 

実写映画にできて、アニメーションにできないこともあります。 逆にアニメーションにできて、実写映画にできないこともあるでしょう。

しかしその二つに共通するもの ひいては人生において大切なことは、「自分を信じて選択し続けること」なんですよね。

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Q.「最後に、この映画の一番良かったところはどこですか?」

A. 「……上映時間が(大体)90分ってところですね」(ニチャァ…)

 

 

 

ここまで読んでくださった方…いる?いるのかな?

とにかく、ありがとうございました〜!

 

 

"君の映画 大好きだぞ"

 

 

 

 

 

※画像に関しては、『映画大好きポンポさん』公式twitter及び予告編のものを使わせていただきました。

"みんな! いま、幸せ?"『アイの歌声を聴かせて』感想&レビュー

 

突然ですが、あなたは今幸せですか?

 

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私は幸せです。なぜなら、『アイの歌声を聴かせて』を観たからです。

絶賛口コミ御礼!映画『アイの歌声を聴かせて』ロングPV|絶賛上映中 - YouTube

「何言ってんだこの人」と思われるかもしれませんが、ざっくり言うと『アイの歌声を聴かせて』はそんな映画です。観た人を幸せにしてしまう、本当に素晴らしい作品です。現在(2022/02/06)も一部映画館で上映しています。

 

この記事では割と真面目に感想&レビューを書いていきたいと思います。ネタバレはないので、まだ観てない方や観るか迷っている方も安心です。もちろん、もう何度も観た!という方も一アイうたファンの感想を読んでいただけたら嬉しいです。

 

 

 

そもそも『アイうた』ってどんな作品?

…と言いつつも、「『アイの歌声を聴かせて』って何?」という方や「最近Twitterとかで見るけど、いまいち内容は分からない」という方がいるかも知れないので軽く解説をします。といっても公式からの引用です。

ポンコツ“AI”とクラスメイトが織りなす、爽やかな友情と絆に包まれたエンターテインメントフィルムが誕生!監督は「イヴの時間」、『サカサマのパテマ』などで海外からも注目を集め、アニメーションの新たな可能性を切り拓いている吉浦康裕。自身が得意とする「AI」と「人間」の関係というテーマを、高校生の少年少女たちが織りなす瑞々しい群像劇という形で描写し、圧倒的なエンターテインメントフィルムとして仕上げている。

https://ainouta.jp/introduction.html

 

個人的には「AI」×「群像劇」×「ミュージカル」=『アイうた』というイメージです。

 

景部高等学校に転入してきた謎の美少女、シオン(cv土屋太鳳)は抜群の運動神経と天真爛漫な性格で学校の人気者になるが…実は試験中の【AI】だった!
シオンはクラスでいつもひとりぼっちのサトミ(cv福原遥)の前で突然歌い出し、思いもよらない方法でサトミの“幸せ”を叶えようとする。

彼女がAIであることを知ってしまったサトミと、幼馴染で機械マニアのトウマ(cv工藤阿須加)、人気NO.1イケメンのゴッちゃん(cv興津和幸)、気の強いアヤ(cv小松未可子)、柔道部員のサンダー(cv日野聡)たちは、シオンに振り回されながらも、ひたむきな姿とその歌声に心動かされていく。

しかしシオンがサトミのためにとったある行動をきっかけに、大騒動に巻き込まれてしまう――。

 

どうですか? この時点でもう面白そうじゃないですか?? …いや別に、と思ったそこのあなた。実は私もそうでした。正確には「確かにちょっと面白そうだけど、観に行くほどかな…」みたいな感じに思っていました。しかし、昨年12月に行ったのです。映画館へ。

アイうたは昨年10月29日に封切りされたのですが、12月の時点で既に上映館が数えるほどしかありませんでした。「このままだと行かずに終わる!」と一念発起し、観に行ったという訳です。(ちなみに本ブログ執筆中の2022/02/05でめでたく公開100日目を迎えました。嬉しい。めでたい。)

結果、見事にアイうたファンが出来上がりました。

 

 

まず、音でやられる。

『歌』をテーマとしているだけあって、土屋太鳳さん演じるシオンの歌声がとても良いのです。否応にもその世界に引き込まれてしまいます。

 

『ユー・ニード・ア・フレンド 〜あなたには友達が要る〜』では物語の始まりを告げるような爽やかな歌声を、

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『Umbrella』では全てを包み込むような優しい歌声を、

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『Lead Your Partner』ではビッグバンドに合わせて力強く芯のある歌声を、

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『You've Got Friends 〜あなたには友達がいる〜』では美しい花火をバックに多幸感溢れる歌声を聴くことができます。(上のPVの後半の曲です)

とにかくもうこの"歌"のパワーが凄いのです。曲調もそれぞれの場面によく合っていて、サントラ購入確定レベルで良いのです。

でも、ミュージカルというと「急に歌い出すのにビックリする」「何だか聞いてて恥ずかしい」と思う人もいますよね。私もそうです。(2回目)しかし、アイうたにはちゃんと『歌う動機』『音楽が流れる理屈』があるのです。これって凄くないですか??

 

 

AIという存在を活かした演出

主人公であるシオンは"ポンコツAI"であるとイントロダクションで紹介されています。それもそのはず、彼女は人前で急に歌い出してしまうのです。彼女が景部高校に転校してきたのはそれが『AIが人間と共存できるか』確かめるためのテストだからです。このテストの間(5日間)シオンはAIだと知られてはいけないのですが、それでもなぜかサトミを幸せにしようとするのです。まるでテストよりもそっちの方が大事だと言うかのように。

その理由はなぜなのか。シオンはなぜ歌うのか。それはキャッチコピーの『ポンコツAI、約束のうたを届けます。』や予告編にもある『秘密はね、最後に明かされるんだよ』に繋がるのですが、ここはぜひ本編を観て欲しいということで秘密にしておきましょう。

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ところで、舞台となる景部市(ひいては景部高校でも)ではホシマエレクトロニクスという企業によって、AIの実地試験が行われています。例えば、昭和の日本家屋のように見える天野家(サトミの自宅)ですが、実は高度に電子化されていたり…と。(ちなみに最初にこの世界観を解説するファクターにもなってますね)

つまり、AIをはじめとしたテクノロジーがいたるところで使われており…これが一つの鍵となるのです。

そしてシオンもAIということで、簡単に言うと街中や高校にあるAIと『協働』することができるんですね。これでスピーカーを動かしたり、照明を点灯させて雰囲気を出したりすることが可能なんです。

そういった裏側やストーリーで『AI』という存在を存分に活かしており、考えれば考えるほど精密に構成された世界観に感嘆してしまいます…。(つい何度も観たくなってしまいます!)

他にも、作品に出てくるお掃除ロボットや農作業ロボットなどの造形も可愛らしく、見ているだけでワクワクしてしまいます。また、それでいて機械的な動きが丁寧に追われているところが良いのです。(『AIと共存する未来』が丁寧に描かれているのです!)

 

 

爽やかな青春群像劇

もちろん、ストーリーやキャラクターも魅力的です。漫画家の紀伊カンナ先生がキャラクターデザインを務めており、それぞれの個性や性格がよく表れていて素敵なのです。(ついファンアートを描きたくなってしまうくらい!) そしてシオンが可愛い。(重要)

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キャラクター&キャスト|映画『アイの歌声を聴かせて』公式サイト|2021.10.29 ROADSHOW

サトミをはじめとした皆は、それぞれ色々な悩みを抱えています。それで時には対立し、後悔し、一歩を踏み出せずにいました。最初はほとんど関わりがなかったはずの5人が、シオンの『歌』を通して自分や人に向き合い、絆を深めていく姿がまさに青春!なのです!

 

また、一人一人ちゃんとバッググラウンドや性格が設定されていて、かつそれを作品の中で上手く見せているのも素晴らしいんですね。例えば、序盤のシーン。サトミが誤作動を起こしているお掃除ロボットを助けるという場面があるのですが、ここで語られている要素は三つ。

  • サトミがAIに対して『対等』に接していること
  • サトミの優しさや真面目な性格
  • 『AIを緊急停止することが出来る』という設定

この一つのシーンだけでいくつもの要素を観客に説明しているんです。本当によく練られた脚本だと思います。

 

自分の悩みや弱い部分を打ち明けあい、乗り越えた後に歌われる『You've Got Friends 〜あなたには友達がいる〜』はまるで全ての人たちに向けての祝福のようで、あるいは讃歌のようで、まさに浄化されるような心地になります。(ちょっと危ない発言のように思われるかも知れませんが、本当にそんな感じなんです…)

しかし、それだけで終わらないのがアイうたです。シオンがAIであるということ、サトミたちと交わした友情、そして彼女が最後まで明かさなかった『秘密』が交差して物語はクライマックスへと向かいます。ここはネタバレなので詳しく言えないのですが、今までに語られた全てのことが重なり合ってフィナーレを迎えた後には、きっと幸せな気持ちになっていることでしょう。(私がそうでした!)

 

 

その他、気になる・注目ポイント

今までに書いた部分の他にも、たくさん注目して欲しいところがあったりします。

アイうたではサトミたち高校生サイドとは別に、サトミの母である美津子たちホシマの大人サイドの話も描かれるのですが、こちらもしっかり考証された会話をしていたり、複雑な心境を垣間見ることができます。大人たちが『きちんと』しているのが良いのです。

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左の女性がサトミの母・美津子

そしてキャストの方々も豪華です。前述した土屋太鳳さんをはじめ、メインキャストに福原遥さん、工藤阿須加さん、興津定行さん、小松未可子さん、日野聡さんを起用しています。多方面で活躍している方々も多く、それぞれ個性豊かなキャラクターたちに命を吹き込んでくれています。(というか、キャストの皆さんの誠実さや芯の強さなどがそのまま表れているみたいです!) 

サブキャラクターにも大原さやかさん、浜田賢二さん、津田健次郎さん、堀内賢雄さんなどが声を当てられています。(特に大原さやかさん演じる美津子のとあるシーンの迫力が凄いです…)また、ゲストとして担任の先生役にメイプル超合金のカズレーザーさんが出ていたりします。(はじめ全然気がつきませんでした!)

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メインキャストの6名

 

伏線の張り方や要素の見せ方、セリフの言い回しも工夫されています。劇中劇『ムーンプリンセス』がいたるところで出てくるのですが、これに注目すると…となるかも知れませんね。『あのシーンはここに繋がっていたのか!』みたいな驚きや発見がアイうたには溢れています。セリフ一つとっても無駄がなく、忘れられない名(迷?)台詞や、日常で使えるようなフレーズもあったりして楽しいのです。(笑) (実際、アイうたファンは作中に出てくるセリフをよく使ってたり…)

 

個人的には、美術背景もちょっと見て欲しかったりします。基本的にアイうたの舞台にはモデルがあるのですが、そのモデルとなった場所と作中の場所を比べるのが面白かったりします。特に、景部高校のモデルである高校があるのですが、実は私はそこの関係者という立場です。(元々、アイうたを観た根本的な理由はこれだったり…) 作中で描かれた高校はまさしく現実と同じすぎて、そこだけで感動してしまったくらいです(笑)(そしてクレジットの撮影協力でまたじんと来る)

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アイうたの主な舞台・景部高校

他にも…光と影の描写が煌びやかで、映画館の暗い中で見ると本当に綺麗なんです。とか。

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さらに、生き生きとした表情やアニメーションも魅力ですし、BGMも素敵で…とにかくいろいろな注目ポイントがあります!

 

 

観ないで、後悔したくなかった

(ここから若干自分語りです)

ここまで褒めてばかりですが、実際褒めるところの方がずっと多いんですよね。今まで綴った言葉は、全部自分が思ったことです。よりわかりやすく伝わるように、少し書き直したくらいです。 

 

それでも、最初は期待半分不安半分でした。元々アニメーション映画はよく観るのですが、オリジナルかつ青春群像劇というジャンルはあまり気にしていなかったんですね。どちらかというとファンタジーやSF(当時はアイうたをSFとはあまり捉えていなかった)が好きなんです。

正直、舞台が自分と関係していなかったら観なかったと思います。というよりも、そもそも『接点がなかった』かも知れません。一時期TVでも予告編がやっていましたが、『面白そうだけど、映画館に観に行くほどではないな』という感じです。また、自分が学生の恋愛要素や陽気なノリ(伝わるでしょうか…?)をあまり好んでないのもあって、『どうせカップル成立してはいはいみんな良かったねハッピーエンドでしょ』みたいな荒んだ思考をしていました。(ごめんなさい…)(ある意味間違ってはないかもですが…(笑))

 

それでも、観に行ったのはやはり気になっていたからだと思います。ずっと喉の中に小骨が刺さっているような、心の底で引っかかっているような、そんな感じです。観に行けてないということが、ずっと気がかりだったんですね。

そこで一度、TVで流れていた予告編を思い出したんです。BGMは『Lead Your Partner』でした。『そういえばあのシーンの子(シオン)の表情が良かったな』とか、『音楽が自分の好きなタイプだな』とか。そうやって考えたのち、今まだ上映してるかなと思い、サイトを開いたところ、もう数えるほどしか上映館がなかったんです。(昨年12月)

『これはもう行くしかない!』『ここで行かなきゃ絶対後悔する!』と思い立ったのが12月15日。一番アクセスが良かった新宿ピカデリーへ行きました。

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新宿ピカデリーにて

始まってからは次の展開を注意深く探るような、ある意味おっかなびっくり(?)な感じで観ていたと思います。最初のあれはなんだろう…曲凄いな…実はそんなに恋愛要素ない?…など、いろんな考えがぐるぐる頭を回っていました。所々心を動かされる場面がありつつも、後半で『常識的に考えてそんなことしなくない?』みたいなことを思ったりして、とにかく頭を使っていました。あくまでも淡々と、作品を飲み込むような気持ちです。

だけど、終盤に向かうにつれて、『あれ?これ面白いのでは?』と思い、そしてシオンのためにサトミが…… (ネタバレです)…というところで疑いが確信に変わりました。感情が一気にぐちゃぐちゃになって溢れ出たのです。『ヤバいヤバいヤバい、これめちゃくちゃ面白いやつだ!!』みたいな言葉が頭を満たして、観終わった後はただただ余韻に浸って呆然としていました。その呆然とした頭のまま、気がついたらパンフレットが手にありました。

 

それから1ヶ月後、私は立川シネマシティで行われた吉浦監督のトークショー付き上映に行き、それだけでは飽き足らず先日またシネマシティで3回目を観ました。アイうたは1回だけじゃ処理しきれないんです。2回目以降も見ることで今までの全てが繋がるような感覚になるんですね。

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立川シネマシティにて

私は個人的に、『作品を観ないまま批判をしない』と心に決めています。観ないでとやかく言うのはお門違いだと思っているからです。今なら、自信を持って言えます。『アイうたは、いいぞ。』と。

 

 

アイの歌声を聴いて

アイうたを観てから、私はTwitterを(そしてブログを)始めました。元々Twitterはやろうと思っていたのですが、アイうたが大きなきっかけになりました。この感情や感動を、どこにぶつければ良いのかわからなかったのです。

そして自分と同じような人たちが、Twitterには、ネットには、大勢いました。アイうたの好きな場面をあげる人、素敵なファンアートを描く人、二次創作小説を綴っている人、アイうた愛に溢れた人たちがそこにはいました。

私が気づいていなかっただけで、あるいはみる勇気がなかっただけで、この作品に心を動かされた人がたくさんいました。きっと、その人たちも一緒なのだと思います。『アイの歌声を聴かせて』という作品を、より多くの人たちに見て欲しい。そして、幸せになって欲しいという思いです。

 

『アイの歌声を聴かせて』には、そんな力があります。観た人を幸せにし、周りの人を幸せにし、そしてその幸せを広めようとしたくなる力です。

 

だからぜひ、観に行って欲しいのです。もちろん、今の状況や地理的な都合により観に行けないという方もいるというのは分かっています。それでも、私はこの作品を通して『映画は映画館で観るもの』だと実感しました。もし迷っている方がいたら、その背中を押してあげたかった。そしてこの思いを、誰かと共有したかったんです。

 

 

結びとして、吉浦監督のコメントを引用させてください。

楽しい映画を創る。
当たり前なことのようで、でも言葉にすると少し照れがあって。たぶん、その本質は簡単じゃないけれど、何よりも大切なこととして心に刻まれました。

たとえ楽しさが人それぞれだったとしても、それでも沢山の人が楽しいと思える映画を創ろう。そしてその楽しさは、何よりも自分自身の内から湧き出てくるものを信じよう。 こうして、今まで生きてきた中で、心の底から楽しいと思えた瞬間を思い出しながら物語を描き始めました。これが本作『アイの歌声を聴かせて』のスタート地点です。

スタッフ|映画『アイの歌声を聴かせて』公式サイト|2021.10.29 ROADSHOW

『アイの歌声を聴かせて』は、心の底から楽しくて、笑顔になって、幸せになれる作品です。

それを私が保証します。アイうたに魅了された人たちが、上映を続けて(はじめて)くださっている映画館の方々が、スタッフさんが、キャストの皆さんが、たくさんの人たちが保証しています。

 

だから、私はこのブログを書きました。

もしこれが、これから観ようと思っている方、一度しか観ていない方、何度も観たよという方、全ての人にとって何かの手助けや参考になったのなら、幸いです。

 

 

 

 

最後にもう一度、きかせてください。

 

 

 

 

"みんな! いま、幸せ?"

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はじめましてのご挨拶

はじめまして!マナと申します。本ブログを閲覧いただきありがとうございます!

長文を書きたくてブログを始めることにしました。

アニメ/マンガ/ゲームなどのサブカルをはじめ、版権作品の感想/妄想/考察etc.をひたすら書きます。

更新は不定期です。

また版権作品のことだけでなく、創作に関することや雑談も混ざるかも知れないです。まだどうなるかわかりません。

自由にコメント下さって大丈夫です。一緒に作品を楽しみましょう。

よろしくお願いします!!

 

2022.02.05.マナ

(2024.07.05.修正)

 

 

 (※ブログ🔰&色々試行錯誤しながらの運営のため、デザインや内容が予告なく変わっていたりするかもしれません。)